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自主規制とジレンマ
自主規制には、概して2つの方法がある。ひとつは、インターネットおよび校内ネットワーク利用におけるガイドラインの制定。2つめは、校内ネットワークの利用制限である。ガイドラインは教育委員会が管下の学校に義務づけるものと、学校独自で制定するものがある。特に児童生徒の個人情報に関する規定は年々厳しくなっている。学校ホームページを見回してみても、子どもたちの表情がはっきりと認識できる写真を掲載しているところは非常に少なくなった。
一方、ネットワークの自主規制という意味では、管理すればするほどネットワークを活用できない、というジレンマに陥ることになる。たとえば、手っ取り早い方法としては、インターネットに接続できるコンピュータを特定してしまうことだ。しかし、これではどこからでも好きなときにアクセスできる校内ネットワークの意義が半減してしまう。だが、セキュリティを重視し、効率的に管理するには好都合だ。まるで校則で縛るのと同じように、管理することに傾斜していくと、Webの活用はどんどんつまらないものになってゆく。
また、実際に多くの学校では、ネットトラブルを起こさない一番簡単で確実な方法として、外部からのアクセスを拒否するところが増えている。情報のやりとりは校内ネットワークの中だけに限定し、見る側は学校の沿革部分だけで、教科内容や学習成果については一切タッチさせない仕組みにすることである。これも、子どもたちが学習成果を情報発信し、もっと多くの人たちに見てもらおうとする意欲や喜びを削ぐことにつながるかもしれない。
学校現場もこうした結果にならないよう、ネットワークをどこまでオープンにするかを模索している。何を講じて何を制限しなければならないかの見極めが大切だ。単に「セキュリティできます」から、インターネットの<活用>と<制限>の折り合いが求められている。
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