情報セキュリティ検定をはじめ、個人情報に関する検定を開催中。(財)情報協。

 

ネット犯罪の種類

携帯電話でも利用できるほど普及したインターネット。その便利さや有用性は多くの人に認知され、もはや社会的インフラの一つとして認識されるほどですが、一方で匿名性の高いインターネットを悪用した犯罪も増え、新たな社会問題として注目されています。


その代表的なものが「迷惑メール」です。単純に言えばダイレクトメールの一種なのですが、「個人情報保護法」や「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」を遵守する事業者であれば、事前に許諾を得た相手にのみ送付しますし、不要な場合も連絡することで配信を停止してくれるので、さほど迷惑ではないことも少なくないでしょう。
しかし、詐欺師や悪徳商法の業者など、公序良俗に反することで金儲けをしようとする人たちが法律を守るはずはありません。一般の郵便物と違って郵送料も印刷費も掛からないし、発信アドレスの詐称も簡単というインターネットメールの利点をフルに活用し、不特定多数の相手に毎日のようにダイレクトメールを送付し続けます。
また、そういった単純な迷惑をかけるだけのものではなく、金銭的な被害をともなうネットワーク犯罪も増えてきました。代表的なものが「架空請求詐欺」。

以前は、取り立て業者を装ってアダルトサイトの利用料金などを督促するメールを送りつけるていどのものが主流でした。しかし、最近は迷惑メールに記載されたURLをクリックするだけでサービスに入会したものとされ、利用料金を請求されるような悪質なものが増えてきています。さらに、ネットバンキングなどインターネットでの決済の普及とともに増加している「フィッシング詐欺」というものもあります。銀行やクレジットカード会社などを装ってメールを送り、それらの会社のWebサイトにそっくりな偽サイトに誘導して暗証番号や個人情報を入力させるため、記載されたURLを注意深く確認していなければ危険です。
そして、インターネットを利用する上では、迷惑メールや詐欺など自分が被害者になるばかりではなく、不注意によって加害者にもなってしまうというのが問題でしょう。代表的なのはコンピュータウィルスです。ウィルスに感染すると自分のパソコンの動作などに被害が出るのはもちろんですが、同時にウィルスをばらまく加害者となってしまいます。OSへのセキュリティパッチ適用を怠った・パスワードの管理を適切に行なわなかったなどの理由により、パソコンへの不正アクセスを許してしまった場合も、情報を盗み出されるだけではすまない可能性があります。ウィルスや不正アクセスによって乗っ取られたパソコンは、他のパソコンへの攻撃の踏み台にされる可能性がありますし、迷惑メールを送信しているパソコンの大半はそうして乗っ取られた「ゾンビPC」であるとの調査結果も出ています。昨今とみに話題になることが多い「個人情報の漏えい」に関しても同様です。
インターネットを利用する上で、セキュリティに関して「知らなかった」ではすまされない時代になったと言えるでしょう。

 

概要と対策

インターネット詐欺

利用した覚えの無い架空請求や フィッシング詐欺など

迷惑メール

受信者にコンピュータに障害を与えたりすること

不正アクセス

勝手にサーバなどにアクセスする行為など

ウィルス

パソコン利用者に不利益をもたらす「不正プログラム」など

情報漏洩

内部スタッフや顧客や会員などの個人情報が流出することなど